貧しくもせず、金持ちにもせず | 箴言 30章

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箴言 30章

貧しくもせず、金持ちにもせず
わたしのために定められたパンで
わたしを養ってください。
飽き足りれば、裏切り
主など何者か、と言うおそれがあります。
貧しければ、盗みを働き
わたしの神の御名を汚しかねません。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 箴言 30章8節~9節

貧しくもせず、金持ちにもせず

「ヤケの子アグル」が誰なのかはわかりません。イスラエルの神を知る異邦の賢者かもしれません。天を超えて高くおられる神の前に、賢者は身を低くして自分の小ささを告白し、謙遜に知恵を求めます。

人は「豊かさ」を求めて祈るかもしれません。高い理想を掲げて自己実現のために神の力を借りようとするかもしれません。しかし、賢者がここで求めるのは、第一に、頼りにならない、人間の言葉を退けること、第二に日毎の糧で養われることです。それは、神を愛する信仰者にとって「神の御名を汚すこと」ほど、不本意なことはないからです。

金銭への飽くなき欲望は、自分が神に生かされていることを忘れさせ、貧しい人々を顧みない高慢に誘います。また、貧しければ「貧すれば鈍する」で、食べるために犯罪に手を染めることにもなりかねない。だから、主によって日毎に養われていることに感謝して、それで満足することができれば良い。こうした賢者の知恵ある祈りが、「主の祈り」にも受け継がれて、私たちのもとに届けられています。

牧野 信成(長野佐久伝道所)