全能者を信じるナオミ | ルツ記 1章

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ルツ記 1章

「どうか、ナオミ(快い)などとは呼ばないで、マラ(苦い)と呼んでください。全能者がわたしをひどい目に遭わせたのです。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ルツ記 1章20節

全能者を信じるナオミ

ルツとナオミは、モアブの地を出て故郷ベツレヘムに帰ってきました。すると町中の人々は驚き、どよめきました。旧知の女性たちは「ナオミさんではありませんか」と声をかけます。

それに対して、ナオミは、「どうかナオミ(快い)などとは呼ばないで、マラ(苦い)と呼んでください。全能者がわたしをひどい目に遭わせたのです」と応えました。

ただならぬナオミの応答です。重い現実を抱えていることを、ナオミは隠しません。ここに現実を受け入れる、ある強さを感じます。

愛する者の死は、涙の谷底へと人を追いやります。愛する夫と二人の息子の死が、ナオミを追い詰めました。

ナオミはその中で、神のことを「全能者」と呼びます。神への信頼を失ってはいません。ナオミにとって、苦しみもまた主の御心でした。辛い現実があったとしても、ナオミは腐ってはいません。主が憐れみ深い方であり、希望があることを信じているからです。たとえ苦しみがあったとしても、それを主の御心として受け入れ、その中で憐れみを信じ続ける姿に教えられます。

國安 光(淀川キリスト教病院)