伏す時があり、飛躍の時がある | サムエル記下 5章

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サムエル記下 5章

ダビデはこの要害に住み、それをダビデの町と呼び、ミロから内部まで、周囲に城壁を築いた。ダビデは次第に勢力を増し、万軍の神、主は彼と共におられた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記下 5章9節~10節

伏す時があり、飛躍の時がある

ダビデを全イスラエルの王に。今は亡きアブネルが整えた道筋は消えていません。イスラエルの長老たちがやってきます。そして「ダビデはヘブロンで主の御前に彼らと契約を結んだ。長老たちはダビデに油を注ぎ、イスラエルの王とした」(3節)。

王とされたダビデは、早速、兵をエルサレムに向けます。その町を新しい秩序の中心地とするためです。エルサレムはイスラエルとユダの境界線にあり、両陣営の力が共に及ばない空白地帯でした。難攻不落を誇る天然の要害でもある、その町ほど都に最適な場所はなかったでしょう。しかし、守るに易く、攻め難いエルサレムをいかに攻略するのか。

が、戦いは予想に反し、あっけない幕切れを見せます。ダビデ軍は正面突破を避け、「水くみのトンネル」から城内に侵入。あっという間に勝負をつけてしまいました。奇襲戦を得意とするダビデの面目躍如といったところでしょうか。

ダビデの背中を押す風が吹いているようです。忍耐の期間から解き放たれるようにして、ダビデは王としての歩みを進めます。

柏木 貴志(岡山教会)