十字架上の第一のことば-赦し- | ルカによる福音書 23章32-38節

RCJメディアミニストリー「ふくいんのなみ」のトップページへ戻る

ルカによる福音書 23章32-38節

[そのとき、イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」]日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ルカによる福音書 23章34節

十字架上の第一のことば-赦し-

十字架に架かられた主イエスの最終的な死因は、窒息死であると考えられています。死に至るまでの経過は、およそ次のようでした。

主が十字架に吊るされたその時、まず両肩が脱臼し、体がずれ下がります。しかし、この沈み込んだ体勢のままでは息を吸い込むことができません。そこで、釘を打ち込まれた両手両足に力を込め、血を滴り落して、体を持ち上げなくてはなりません。

さて、次に息を吐くためには、力を抜かなくてはなりません。体は再び沈みこみます。こうして、体を持ち上げるための体力が尽きるまで、鞭打たれた背中を十字架にこすりつけながら、主は死なれたのです。

この想像を絶する痛みのただ中で、主が真っ先に口にされたのは、ご自分のために助けを求める叫び声ではなかったのです。何と、私たちのための執り成しの祈りの言葉であったのです。主はご自分の命を差し出して祈ってくださいました。「父よ。彼らを赦したまえ」と。

十字架に架かられたこの時も、主イエスの心に満ちていたのは、私たちへの愛であったのです。

小野田 雄二(上野緑ケ丘教会)