悩みを注ぎ出し | 詩編 142編

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詩編 142編

声をあげ、主に向かって叫び
声をあげ、主に向かって憐れみを求めよう。
御前にわたしの悩みを注ぎ出し
御前に苦しみを訴えよう。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 詩編 142編2節~3節

悩みを注ぎ出し

この祈りは洞穴の中でささげられています。サウル王に追われて逃げているときのことです。「声をあげ、主に向かって叫び」とありますが、これは心の叫びです。大声をあげたわけではありません。

そのとき、ダビデと共に屈強な兵たちもいました。しかし、ダビデは彼らに自分の悩みのはけ口を求めて、いらだったり、頼ったりしていません。ただ、主に向かって心を注ぎ出します。

実際、ダビデから悩みを注ぎ出されても、受け止めることのできる者は一人もいなかったでしょう。ダビデの孤独は限りなく深いものがあります。「右に立ってくれる友もなく、逃れ場は失われ、命を助けようとしてくれる人もありません」(5節)。しかし、この孤独がダビデの歩みを定めていきます。

注ぎ出された悩みは、理路整然としたものであるはずもありません。しかし、どんなに混乱した悩みのようであっても、受け止める御方は主です。その悩みは一つの方向に導かれていきます。「あなたはわたしの避けどころ、命あるものの地でわたしの分となってくださる方」である主と共に進みます(6節)。

貫洞 賢次(札幌伝道所)