真の平和の王が到来する | ゼカリヤ書 9-11章

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ゼカリヤ書 9-11章

見よ、あなたの王が来る。
彼は神に従い、勝利を与えられた者
高ぶることなく、ろばに乗って来る
雌ろばの子であるろばに乗って。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ゼカリヤ書 9章9節

真の平和の王が到来する

9章の冒頭には「託宣」と記されていますが、1章などと違って具体的な年代は記されていません。9章以降では、神殿は既に再建された様子で、神殿への言及はわずかです。再建期は終わり、捕囚後のイスラエルの生活は安定してきています。

その一方で、主は「(羊を顧みない)羊飼いたちに対して、わたしの怒りは燃える」(10章3節)、「わたしは1月のうちに3人の羊飼いを退けた」(11章8節)と言って、神の民が正しく治められていないことを批判されます。そしてこの状況に対して、預言者は9章9節の有名な聖句で「王」の登場を預言するのです。

登場する王は、軍に頼る者ではありません。王は神に従う者であり、勝利は神が王に与えます。王自身は軍馬や弓を絶ち、平和を告げる者です(9章10節)。

平和を打ち立て、民を公正に治める真の王の到来は、民の願いでした。統治者が立つたびに民はこの理想の王の姿を望み見ました。しかし、どの統治者も平和を告げるどころか、不正と苦しみを生むだけでした。

この預言の情景は、エルサレムに入城される主イエスによって実現しました。預言者が望み見た平和が私たちには既に告げられているのです。

【祈り】

主よ、私たちがあなたに従う者となり、あなたの平和を享受する者となれるようにしてください。

長田 詠喜(新所沢伝道所)