神の民は祈り、神は聞かれ、歴史は連なる | 歴代誌上 3-4章

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歴代誌上 3-4章

ヤベツは兄弟たちの中で最も尊敬されていた。母は、「わたしは苦しんで産んだから」と言って、彼の名をヤベツと呼んだ。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』 歴代誌上 4章9節

神の民は祈り、神は聞かれ、歴史は連なる

3章にはダビデの子どもたちとその子孫の名前が連ねられています。4章に記されているのはダビデ王家を支えた人たちの系図です。

その記述のなかで目を引くのは、ヤベツという人物についてのものです。苦しみを意味するその名と共に、その生き様が短いながらに記されているからです。その名にヤベツは自分の生涯の不吉を思ったでしょうか。しかし、彼は祈る人でした。「御手がわたしと共にあって災いからわたしを守り、苦しみを遠ざけてください」(4章10節)と祈ることで宿命とも言うべき重荷を乗り越え、ついには兄弟たちを支えるに至った人でした。彼が祈ったのはイスラエルの神です。イスラエルたるヤコブもまた「神がわたしと共におられ」ると苦しみのなかで祈り、試練を乗り越えていった人でした(創28章20節)。ダビデも「わたしを憐れんでください」と祈り(詩51編3節)、ソロモンも「この僕に聞き分ける心をお与えください」と祈り(列王上3章9節)、彼らは祈ることで自身に課せられたものを乗り越え、人びとと共に生きる道へと結ばれてゆきました。

神の民の歴史は、神への祈りを継承していく歴史であり、神がその祈りを聞いてくださることによって積み重ねられた歴史です。

【祈り】

主よ、あなたが与えてくださる祈りがあって、きょうも私たちは共に生きることができ、感謝いたします。

柏木 貴志(岡山教会)