2005年5月11日(水)「主において喜びなさい」

 ご機嫌いかがですか。勝田台教会牧師の安田恵嗣です。

 パウロは、フィリピの信徒への手紙4章4節で、このように語っています。「主において常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい」。パウロは喜べと命令しています。考えてみますと、とても奇妙な言葉です。喜べといくら命令されましても喜ぶ理由がなければ喜べません。喜びは、心の内から自然に生まれてくるものであります。だが、パウロは、堂々と確信をもって言います。「主において」と言えば、それだけで喜ぶことができるというのです。ほかに喜ぶ理由がなくても、いや、それどころか、悲しみ悩みが支配していても、喜びをもって対抗できると言うのです。

 パウロは、その伝道の生涯を通して、キリストの近さを体験した人です。「主において」とパウロが言いますとき、それは困難な彼の生涯をいつもそばにいて導き、助けてくださったということを言っているのです。

 神さまの命を受けてアジアからヨーロッパへと伝道の旅を続けながら、何度も困難に遭遇しました。時にはあらゆる希望を失って、もう死ぬしかない、と思ったこともあったと言います。それでもそういうとき、神さまの助けがあると信じることができたのです。それを求めることができたのです。そして神さまはわたしを見捨てずに助けてくださった。ああ神さまがここにいてくださった。心からそう思う経験をさせてくださった、とパウロは言うのです。

 こんなに近くいてくださる方が私たちの主でいてくださいます。だから、いつも喜んでいることができるのです。