2005年8月15日(月)「あなたの神を愛しなさい」

 ご機嫌いかがですか。勝田台教会牧師の安田恵嗣です。

 旧約聖書が記す掟の中で、どれがいちばん大切ですかという問いに対して、イエスさまが上げられたのが次の二つのものです。

 「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くしてあなたの神である主を愛しなさい」。
「隣人を自分のように愛しなさい」。

 神を愛することと、隣人を愛すること。これが掟の中心だという説明は、理解しやすいと思います。このように愛ということを教えるのは、聖書にふさわしいと考える人もいることでしょう。

 しかし、これが単なる教えではないことは、この掟の前に付け加えられた、「イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である」という言葉から明らかです。

 「聞け」と言われています。聞くことは自分を与えることです。自分の思いや計画、願いなどを横において、正面に向かい合うことなしに、神さまの言葉を聞くことはできません。そのようにして聞くべきことがあります。あなたがたの永遠の命に関わる言葉がある。だからこそ、聞けと言われるのです。

 この言葉の意味は、天地の創造者が、世界でも小さな民に過ぎないイスラエルの神になってくださるということです。そうするべき何の理由もないのに、神はただ恵みのゆえにしてくださいました。わたしは主である、と言われる神さまを抜きにして、私たちが神さまを愛することも、隣人を愛することもできません。