2005年9月14日(水)「最後の引越し」

 いかがお過ごしですか。新所沢教会の長石です。
 皆さんは引越しの経験をお持ちでしょうか。私は幼い頃から両親とともに、何度かそれを経験してきました。成人して、牧師になってからも、何度か引越しをしました。しかし新しい土地に慣れるには、その都度時間がかかり、それなりの気力が必要なものです。

 アブラハムという人は、神さまの御声に従って故郷を出発した時、75歳であったといいます。これはかなり高齢になってからの引越しです。しかも聖書によれば、「アブラハムは、自分が財産として受け継ぐことになる土地に出て行くように召し出されると、これに服従し、行き先も知らずに出発した」とあります。何がそうさせたのでしょうか。聖書はその動機を、「信仰によって」と述べています。

 じつは今年、78歳の父と73歳の母とが何十年も住み慣れた故郷の土地と家を処分して、私の住む所沢に引越してきました。そして今は共に同じ教会で礼拝を守るようになりました。ここに至るには、高齢だから息子のもとに身を寄せたという消極的な理由だけではありませんでした。むしろ不思議な神さまの導きがあり、「信仰によって」そうするように導かれたのです。それは言い換えれば、天国という最終的な引越し先を目指して、共に歩むようにと神さまが召して下さったということです。