2006年2月28日(火)「神の国はあなたがたの間に」

 ご機嫌いかがですか。安田恵嗣です。

 「ファリサイ派の人々が、神の国はいつ来るのか」とイエスさまに尋ねました。「神の国はいつ来るのか」。ファリサイ派の人々は、まだ神の国が来ていないと思っています。彼らは、この世における神の支配を、とても真剣に考えていました。神の民として選ばれているユダヤ人たちがローマ帝国の圧制のもとにある。神の民が、なぜこのような目に遭っているのか。このような問いは、神を真剣に考えているなら当然起こって来るものです。

 イエスさまは、はっきりと、「実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ」、もう来ていると言われました。神の国とは、神が支配しておられるという現実です。神の支配を信じることは、イエスさまを信じるということです。ファリサイ派の人々はイエスさまを信じていません。

 「神の国はあなたがたの間にある」という言葉は、私たちの心の中ではなくて、私たちが集まっている真ん中に神の国があるという意味です。見えない神の国は内面的、精神的なものと理解されやすいものです。日本人は、特にそのように理解することを好みます。しかし、あなたがた皆がいる、その真ん中にいるということです。

 私たちは神の支配が見えなくなるような臆病な者です。この世界の出来事や、自分の家族、あるいは自分自身にふりかかってくる出来事に、神の支配を見ることができないのです。イエスさまは、共に生きていてくださいます。日々の生活が、どんなにつらくても、「神の国はあなたがたの間にあるのだ」というイエスさまの約束から外れる生き方は、私たちにはありません。神の賜物として生きることができるのです。