2007年6月25日(月)いのちの分配

ご機嫌いかがですか。勝田台教会の安田恵嗣です。

新約聖書には四つの福音書があります。四つの福音書が必ず載せている記事で大切なのは、主イエスの十字架と復活の記事です。そして、〈五つのパンと二匹の魚の奇跡物語〉も同じです。

でもよく考えていただきたいのですが、ただ五つのパンと二匹の魚で5000人以上の人々を満足させたという奇跡が、当時の教会の人々にこんなにも受け入れられたのは何故でしょうか。イエスさまの奇跡の中では群衆のお腹がすいてきたという程度のことです。弟子たちも提案をして、一度、集会を解散して、自分たちの食事を自分たちでさせたらどうだろうかというのです。しかし、主イエスは、あなたがたが与えたらいいではないか、と言われます。求められてした奇跡ではなく、主イエスご自身が弟子たちを招き入れるためにした奇跡です。この奇跡の特色はここにあります。弟子たちの持っているものがこんなにも多くなるという、大きな喜びのある物語なのです。

私たちは残りの半年もいろいろな変化を経験することでしょう。変化の中で私たちは何に心を奪われてしまうかといえば、自分の生活を守ることです。私たちは、自分の生活を守るということよりも、主イエスが飼う者のいない羊のような群衆のために深く憐れまれたということを原点としていきたいと願います。主イエスの言葉をもう一度聴きたいと願います。「あなたがたが持っているものを与えなさい」。私たちが持っているものとは、イエス・キリストの御言葉しかありません。主イエスの恵みしかないのであります。