2010年7月2日(金)ロバの子に乗られるイエス

いかがお過ごしですか。新所沢教会の長石です。
イエスが十字架で処刑される週、子ロバに乗ってエルサレムに入られる姿は、私たちに平和はどのようにくるかを象徴的に教えています。一つは平和は武力によらず、子ロバのように謙遜に仕える神の僕によって訪れるということです。もう一つは、平和はそれを待ち望む素朴な信仰から訪れるということです。但しこの時「ダビデの子にホサナ」と歓呼する民衆は、必ずしもイエスがどのように平和を実現されるかを理解していた訳ではありません。

なぜならこの後、主は一人十字架で処刑されることになったからです。人間の無知と愚かさと無力さの一切は、神に反逆した人間の罪から出ています。イエスは人間に対する神の裁きを身代わりに負い、子ロバに乗って十字架に向かわれました。実は民衆がエルサレムでイエスを迎えたのではありません。むしろイエスこそが、弟子を用いて子ロバを手配し、それに乗り、あるがままの人間を迎えられたのです。裏切ろうとするユダと殺害を企むユダヤ教指導者、過越の祭に暴動を警戒するローマの兵士たち、そして弟子をはじめとする民衆まで、様々な人間が折りなす罪の現実を前に、縦糸を通すようにイエスは子ロバに乗って進まれました。

平和とは、罪人に代わって神からの裁きを受けられた平和の主、イエスによる神との和解によってのみ与えられるのです。