2010年10月13日(水)苦しみに遭う時

いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。

旧約聖書にナオミという女性が登場します。このナオミは、飢饉ために海外移住を余儀なくされ、行った見ず知らずの外国で最愛の夫を失い、二人の息子が結婚したのもつかの間、その二人の息子にも先立たれてしまう不幸に見舞われました。
そのナオミが十数年ぶりに故郷に帰ったときに、ナオミの名をなつかしんで呼ぶ町の人たちにこう答えました。
「どうか、ナオミなどと呼ばないで、マラと呼んでください。全能者がわたしをひどい目に遭わせたのです。」(ルツ記1:20)

ナオミという名前はヘブライ語で「快い」という意味だったので、落ちぶれて帰ってきた自分をそんな名前で呼ばないでほしいというのです。
ところで、ナオミは全能者である神を信じていたのですが、そのナオミの口から「全能者がわたしをひどい目に遭わせたのです」などという言葉が飛び出すのにはびっくりしまいます。この言葉は神への恨みつらみでしょうか。そうではないでしょう。
ナオミにとっては、どんな苦しみも悲しみも、神の御手の及ばないことではないのです。悩み苦しみを与える力を持っている神は、それを取り去る力をも持っていらっしゃるのです。

今日の言葉…「あらゆる恵みの源である神、すなわち、キリスト・イエスを通してあなたがたを永遠の栄光へ招いてくださった神御自身が、しばらくの間苦しんだあなたがたを完全な者とし、強め、力づけ、揺らぐことがないようにしてくださいます。」ペトロの手紙一 5章10節