2013年7月26日(金)たった一人が大切なわけ

 いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
 イエス・キリストのたとえ話に、一匹の迷い出た羊の話があります。羊飼いはこの迷い出た羊のために、他の九十九匹の羊を野原に残したまま、捜しに出かけるというのです。
 もし、損得を優先させる羊飼いなら、そうは考えないでしょう。九十九匹を残して、いなくなった一匹を捜すことは、あまりにもリスクが大きいからです。群れを離れた瞬間、狼が残りの羊を襲ったら、一匹どころの損失ではすみません。

 では、イエス・キリストはいったい何のためにそんなたとえ話をお語りになったのでしょう。その一匹は他の九十九匹全部よりも大切で価値がある特別な一匹だったのでしょうか。そうではありません。どの一匹も同じように大切な一匹だったのです。この一匹を捨て置かないところに、残りの九十九匹に対する羊飼いの思いが込められているのです。そうだからこそ見つけ出したときには、大きな喜びがあるのです。

 実に神はたった一人の罪人をも救いからもらさないことで、残りの人たちに対する愛をも証ししているのです。一人ひとりを大切に思うからこそ、一人も捨て置くことはできないのです。

 今日の言葉…「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。」ルカによる福音書15章4節