2018年5月20日(日) ろばに乗るキリスト

 いかがお過ごしでしょうか。東京練馬の光が丘キリスト教会で牧師をしております、尾崎純と申します。

 キリストは十字架につけられる一週間前に、ろばに乗ってイスラエルの都エルサレムに入りました。ろばというのは庶民の乗り物で、戦いには使えない動物です。その大きさも、分かりやすく言いますと自転車ぐらいのもので、それも、子どものろばでした。キリストの頭の位置は立って歩く弟子たちと変わりなかったでしょう。そう考えますと、キリストが乗るのはろばよりも馬の方がふさわしいような気もします。

 しかし、ろばに乗るキリストの目線は、ついてくる弟子たちと同じ高さです。キリストは、文字通り、弟子たちと一緒に進んでいくのです。このキリストとなら、誰でも一緒に歩くことができるのです。

 エルサレムでは、これから戦いが待っています。キリストは、その戦いを一人で戦ってくださいます。たった一人で、多くの人の罪を引き受けてくださいます。私たちが傷つくことがないように、私たちのために、私たちに代わって戦ってくださるのです。だからこそ、キリストは馬に乗って軍隊を従えたりはなさらないのです。

 弟子たちは、そこまでのことを理解していたわけではありませんが、弟子たちはここで賛美歌を歌います。これからキリストを裏切り、キリストを見捨てる弟子たちです。しかし、キリストはその賛美を止めることはありません。キリストはそこまで、弟子たちと同じ目線でいてくださっているのです。