2015年3月22日(日) 互いに愛し合いなさい

 おはようございます。広島県竹原市にあります、忠海教会の唐見敏徳です。

 私が奉仕しています忠海教会の隣に、「グループホーム ベタニヤ荘」という施設があります。この施設には、障がいを抱えつつも、できるだけ自分たちの力で生活したいという願いを持っている方々が十数名、専門のスタッフの力を活用しつつ、共同生活を送っています。

 ベタニヤ荘は、現在はグループホームになっていますが、建設された30年前は「通所ホーム」と呼ばれるものでした。通所ホームとは、自らの手で働き自立した生活を送りたいという願いを持つ障がい者の生活訓練のために設けられた施設のことを言います。
 1980年代の初めに、当時の厚生省の先駆的なプランとして制度化されました。聖恵会は1984年に、全国で七番目の通所ホームとして認可を受け、「通所ホーム ベタニヤ荘」を建設しました。

 ベタニヤ荘という名前は、聖書に出てくる地名からとられたものです。口語訳聖書ではベタニヤでしたが、新共同訳聖書ではベタニアとなっています。それは、エルサレムの南東約3キロ、オリーブ山のふもとにあった村でした。そこには主イエスが愛されたマルタ、マリアの姉妹と、その兄弟ラザロが住んでいました。
 重い皮膚病の人シモンの家があった村でもありました。「窮乏の家」、あるいは「悲惨の家」と訳しうるこの村には、重い皮膚病の人シモンのように、当時の社会で隔離の対象であった難病・障がいを抱えている人々、社会的・経済的に苦しい立場に置かれている人々が多く暮らしていたと思われます。
 また、主イエスがエルサレム入城の後に滞在されたところも、弟子たちを祝福した後、天に昇られたところも、ベタニアであったと聖書は記しています。

 聖恵会の過去の記録を調べてみると、認可を受けた通所ホームをどう命名するかについて、当時の職員、研修生一同が話しあったことが記されています。話し合いの結果、圧倒的多数で、ベタニヤ荘と名付けられました。そこには、主イエスがベタニア村をたびたび訪ねられ、そこに暮らすマルタ、マリア、ラザロらと食事を共にしながら、交わりの時を持ってくださったように、通所ホームにおいても、主イエス・キリストにある豊かな交わりが実現されるようにという願い、そして主にあって互いに助け合い、支え合って生きて行こうという決意が込められています。

 1984年に建てられたベタニヤ荘は、通所ホームからケアホームに、そしてグループホームと、福祉制度の変化に応じて変更されたところはありますが、障がいを持つ方々のための場としての本質的な理念は変わっていません。そして、このベタニヤ荘の理念は、実は障がいの有無、あるいは障がいの重さの程度とまったく関係なく、すべての人にとって共有されるべきものであると聖書は教えています。

「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」(ヨハネによる福音書13章34節)