2016年7月24日(日) リオのキリスト像

 おはようございます。香川県坂出市で牧師を務める、吉田崇です。
 8月にブラジルのリオ・デ・ジャネイロでオリンピックが開催される予定です。テレビでリオオリンピックの話題を取り上げる時には、必ずと言っていいほど、山の上に両手を大きく横に広げている白色の像が映し出されるかと思います。これは、リオ・デ・ジャネイロの観光名所の一つ、コルコバードのキリスト像というものです。高さ40メートル、左右の幅30メートル、ずいぶん大きなキリスト像です。

 リオ・デ・ジャネイロには標高710メートルのコルコバードという山があり、頂上からはリオの町を一望することができます。その山の頂上に、リオの町を見下ろすようにキリスト像は立っています。
 日本では「コルコバードのキリスト像」と紹介されるこのキリスト像を、現地ブラジルの人々はこう呼ぶのだそうです。「クリスト・へデントールChristo Redentor」。これは日本語に訳すと、「贖い主キリスト」、罪を償ってくださる救い主キリスト、という意味になります。

 リオ・デ・ジャネイロという町は、50年前まではブラジルの首都でした。現在でも人口は600万人を超えるそうです。ブラジルの各地から、仕事を求めるなどして多くの人がやってきましたが、住むのに適した平地は、既に住宅で一杯でした。
 そこでけわしい山に張り付くように、ファベーラというスラム街が作られていきます。ファベーラの住民は、仕事がない、または給料の安い仕事にしか就くことができず、大変な苦労を強いられます。精神的に追いつめられることで、トラブルや衝突が増えてしまい、治安も悪くなってしまいました。

 でも、周りの人々にひどいことをしてしまった、と気持ちがめいってしまいそうな時、コルコバードの山に目を上げてみると、そこにキリスト像が立っているのです。「私のもとに飛び込んでおいで」と、愚かなことをしてしまった罪をも赦し、両手を大きく広げて温かく迎え入れようとするかのように立っているのです。

 イエス・キリストは、私たちが犯してしまい、本当なら自分で償いをしなければならなかった罪を、身代わりに引き受けてくださり、十字架で死んでくださることによって、罪の償い、贖いを果たしてくださいました。
 そして今実際には、全世界、全人類を見渡せる天にあって、両手を広げて、あなたが飛び込んでくるのを待っておられます。

 ではキリストに出会うには、ブラジルのリオに行かないといけないのか。そんなことはありません。お近くにあるキリスト教会の礼拝に出かけてくださり、そこで共々に天におられるイエス・キリストを仰いでくださればよいのです。ぜひ一度、キリスト教会に足を運んでください。
 「目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。わたしの助けはどこから来るのか。わたしの助けは来る、天地を造られた主のもとから」(聖書、詩編121編)