2016年8月14日(日) たいせつな あなた

 おはようございます。松山教会の久保浩文です。
 私たちは、いつもたくさんの人に囲まれて、人との関わりの中で生きています。つまり、人の目、視線にさらされながら生きています。それは、「人の目に自分がどう映っているか」「人に自分がどう思われているか」と、四六時中、人の評価を意識する生き方へと陥らせていきます。

 マックス・ルケードという人の書いた「たいせつなきみ」という絵本があります。出版された当時、ベストセラーとなりました。ウイミックスという木の小人たちの村での話です。
 ウイミックスは、エリという彫刻家が彫ったもので、大きな目をもつもの、鼻の大きなものなど、一人一人違う特徴を持っていました。
 彼らは毎日、お互いに「金の星シール」や「だめじるしシール」をくっつけ合っていました。きれいな小人や才能のある小人には星シール、絵の具がはがれていたり、不器用な小人にはだめじるし、という具合です。

 主人公のパンチネロは、何をやっても上手くいかず、いつもだめじるしを貼られていました。だめじるしだらけになったパンチネロは、外へ出るのもいやになり、自分でも「どうせ僕は、だめなウイミックスだから」と思うようになりました。

 そんなある日、パンチネロは珍しいウイミックスに出会います。ルシアというその子は、星シールも、だめじるしも一つもつけていなかったのです。誰かがどちらかのシールを貼ろうとしても、くっつかないのです。
 パンチネロがその秘訣を聞くと、「毎日、エリに会いに行くこと」と言われました。

 それを聞いてパンチネロも、丘の上のエリの家を目指しますが、こんな自分に会ってくれるだろうか、と気後れして声をかけることができません。そうっと帰ろうとしたとき、エリから名前を呼ばれて驚きます。
 「ぼくの名前を知ってるの?」と聞くパンチネロに、エリは「もちろん、知ってるさ。わたしがおまえをつくったんだからね」というのです。
 そして、みんながどう思うかではなくて、創り主である「わたし」がどう思っているかということが大事なのだと教えます。しかも、「わたしはお前のことをとても大切だと思っている」と言われたのです。

 このお話は、私たちが、神様によって造られた大切な、一人の人格をもった人間である、ということを表しています。神様は私たち一人一人に、違った個性と能力を与えておられます。ある面では劣っているように見えても、違う面では優れている、ということもあるのです。
 そして、人間の真の価値は、人間のメジャーでは測ることができません。私たち人間をお創りになられた神様の規準でしか、正確な評価はできないのです。

 では神様は、人間をどのようにご覧になっておられるのでしょうか。
 聖書にはこう書かれています。「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」(イザヤ43:4・新改訳聖書)。

 神様の目から見て、私たち一人一人はとても価値ある尊い人間なのです。私たちは、心を創造主なる神様に向ける時、真に自分を受け入れることができるのです。