2008年11月4日(火)あなたとわたしの生きてる時間 本のれきし5000年

昨日は文化の日。あなたはどんな一日を過ごしましたか?芸術の秋、音楽や絵画に心豊かにされたというリスナーの方もいらっしゃるでしょう。「人生に点火してくれた0冊の本」という広告を見ました。今の自分はこの本なくしていないのだ、という自分の人生を支えてくれた本との出会い。人の心はいくら勉強しても興味が尽きないものですね。こんなに不思議で神秘に満ちた世界と私たち人間を創造された神様が、私たちにも創造する力をくださっています。何かを生み出す人間、言葉を語り本をつくる人間。旧約聖書の創世記1章から3章を読むと「人間とは何者か」を思うことができます。

さて、昨年の番組で毎月1冊絵本のご紹介をしましたが、またリクエストをいただきました。そこでちょっと今までと違う絵本をご紹介しようと考えました。それは、「本のれきし5000年」(辻村益朗・作、福音館)です。最初のページに、「本とは、ものごとや、自分の考え方、気持ちなどを文章や絵であらわし、書き写したりして、ひとまとまりにしたもの」とあります。自分のノートも世界でたった1冊の本、と思うと楽しくなってきませんか?そして、古代文明の発達を紹介しながら「本のれきし」を学ぶことができます。

パピルスは、4000年以上前から作られてきたのですね。紙のことを英語で「ペーパー」と言いますが、語源はパピルス。我が家にもお土産にいただいたパピルスがあります。それから粘土板。土で本を作ったのですね。粘土に絵文字が刻まれたのは5000年前とのこと。今まで発見された粘土板には、神話や寓話、天文、医術、歴史などがあったそうです。なんと粘土の封筒もあったとはビックリです!そして、次に皮に書かれた本。羊皮紙です。動物の皮ならうらおもてに書けるし、おりたたんでとじることもできました。古代写本の発見も大きなニュースでした。しばらく前、日本で開かれた聖書展に行きましたがすごい賑わいでした。
さて時代が進み、教会音楽の楽譜の絵が出てきます。とっても美しい楽譜です。羊皮紙に印刷された1535年のドイツ語聖書サムソンとデリラのお話や、赤ちゃんイエスさまお誕生の絵もあります。芸術作品として博物館に保存されているのです。
アジアでは、木の葉に書かれた本もあったのです。ヤシの幅の広いところで作ったようです。インド仏教のお経の本も出ています。
中国では、骨、こうら、銅、石、木、竹、絹、といろいろなものに文字や絵をしるしてきました。3千数百年前、カメのこうらやウシの骨などに漢字の祖先の甲骨文字を刻みました。木の手紙を木簡といいますが韓国、中国の時代劇を見るとよく出てきます。そして、紙の時代がやってきます。中国の人祭倫(さいりん)(1世紀の中ごろ位)が製紙術を改良発展させていったとのこと。日本でも7世紀位から盛んになったようです。紙の作り方が世界にどのように広がっていったか、本当に興味深いですね。
そして木版印刷から活字印刷本へ。15世紀始めの有名なドイツのグーテンベルクの活字印刷のお話が登場します。1450年ころから聖書の印刷が始まって行くのです。当時の聖書やプレス式印刷機の絵なども見ることができます。
最終ページに「宝物―こどもの本―」として昔の絵本の写真が並べてあります。このような「本のれきし」と共に、世界中に神様の御言葉が広がっていきました。「バイブル」は「本の中の本」ですね。私の人生に点火してくれた1冊、それはこの「聖書」です。聖書は、必ずあなたの人生も点火します。聖書には力があり、道を照らす光(詩編119:105)となってくれるのです。  くまだなみこ