2012年3月6日(火)Spring Voice

 「やわらか仕上げ春向きセーターヴォイス」「お花の咲いたような声」と色々リスナーズからメールやお便りを頂いてきた声。これは神様がくださったプレゼント。神様が用意してくださったこの一本道をひたすらに歩んできました。

 この早春の季節は、番組の始まりを緊張しながらたどたどしく始めた頃を思い出します。スタジオ内の雰囲気は独特で、始めた頃は何と15分の長かったこと。子供の頃から演劇の台本など書くのが得意だった私は怖いもの知らずで番組のタイトルを考えていましたね。あれもこれもと…。次々届くお便りが本当にたのしみでした。どんな分野も似た様なことはあると思いますが、わかりすぎて挑戦できないことがあったりしますし、知らなかったから続けることが出来たということもありますね。「ああ困った!」という失敗からも思いがけない展開があったりしますしね。でもいつもいつも支えられたのは神様の恵み、そしてリスナーズの温かな応援のお便り。これがなくてはとても続けることはできません。まさに「たのくるしい(楽しい苦しい)」日々です。

 そして今も不思議にリスナーズの声が届きます。「たった一人、オンリーワンの声」でも「かけがえのないたった一つの命の声」が番組を通して届き、今日も新たな命の交流が始まっていきます。一人と一人の出会い。先日もあるリスナーの方が、聖書のお話をじっくり聴きながらご感想をくださいました。ここにずっと自分の求めているものがあるのかもしれないと思うようになった…。さぁ新たなオンリーワンとの出会いです。ですからいつもいつも番組は死なないで生きているのです。

 「柔らか仕上げ春向きセーターヴォイス」とお便りくださった京都のリスナーの友を思い出します。盲人の女性で盲導犬と共に夏のキャンプにもご参加くださいました。耳を澄まして番組をいつも聴いてくださったのですね。本当に嬉しい励ましのお便りでした。

 忘れられないお便りもあります。この「お花の咲くような声」を何と25年間も忘れずにいてくださって、「生まれて初めて人間として生きることを考えた」、「生きるのも辛くてたまらなかったけれど声を聴きながらずっと生きて行こうと思うようになった」というお便りなどをいただきました。この出来事などは忘れられません。ここに私達が番組をお届けしたい本来の使命が果たされる喜びがあるのです。オンリーワンを考えながら番組をお届けしている今年。たとえばちょっと思い出してください。あなたの愛する方の声。その方がたとえ天国へ凱旋したとしても思い出すときはっきりその「声」が聴こえてきます。それは自分にとって懐かしいたった一つの「声」だからです。「どこかで誰かが私を呼んでいる…」のではないだろうか、私たちは聖書を読みながら思い始めます。そうか…私はいつも呼ばれているんだ神様に、と聖書を開きながら気がつかされるのです。神様が番組を通してもずっと呼びかけてくださっているのです。

 さて、もう今年も3月。あの東日本大震災から1年です。思いがけない出来事の中で「希望のことば」が始まりました。いよいよ「希望のことばコンサート」の日が近づいてきました。今度の日曜日です。先日、ある集まりで第二の敗戦、という言葉をききましたが、まさに3月11日からは全てが変わってしまいました。

 季節は巡り、時代は変わり、私達一人ひとりも変わって行きます。一つが終わるとそこからまた新たな一つが始まっていく。でもどんな時もそのように人生の時を刻む私達を「呼ぶ声」が聖書を通して心に響いてきます。今日もこのように生かされているあなたと私。これからも耳を澄ましてその声を聴き続けて生きていきたいですね。

 「耳を傾けて聞き、わたしのもとに来るがよい。聞き従って、魂に命を得よ。」(イザヤ書55:3)  くまだなみこ