2018年5月8日(火) ほほえみBOX-ちょこっとことばのレッスン(24)「にほんご にこにこ」

= ちょこっとことばのレッスン(第24回) =
 今月は、まど・みちおさんの「にほんご にこにこ」(理論社)を開いてみましょう。言葉の世界の魅力にあっという間に引きこまれてしまいます。本のタイトルを見たり聞いたりしただけでも気持ちが魅かれてしまいますね。おとなも子どもも言葉を声に出して遊ぶ時間を作ってみましょう。この本に出てくる「くちびるたいそう」や「あいうえお」、そして「ゆかいなアイウエオ」を私は何度も何度も楽しみました。ある時は、おとなたちと、ある時は子どもたちと。

 その中で、「ゆかいなアイウエオは」日本語らしさがよくわかります。たとえば「カキクケコにかくれているアイウエオ かまわず ひっぱりだせ アからじゅんじゅんに カア キイ クウ ケエ コオ でたでた アイウエオ」「サシスセソを さがせばいるいる アイウエオ さっさと ひっぱりだせ アから じゅんじゅんに サア シイ スウ セエ ソオ でたでた アイウエオ」そして、「タ行」「ナ行」「ハ行」「マ行」「ヤ行」「ラ行」「ワ行」と続き、最後は、「ワア イヒヒヒ ウフフフ エヘヘヘ オーホホホ ゆかいな ゆかいな アイウエオ ン」。この最後の「ン」もちゃんと付いています。まどさんのことばのひらめきにビックリ。

 「そうなんだ!」と子供たちは、五十音にかくれている「アイウエオ」を見つけ出します。「母の音」と書いて「母音」(ぼいん)と言いますがこの「母音」をきちんと出すことのレッスンにもなります。童謡「ぞうさん」の作者として有名な詩人まどさんは、22歳で洗礼を受けられたクリスチャン。まどさんの詩や言葉を「心の漢方薬」と言った方があるようですが、その言葉に出会うと気持ちが楽になるのですね。きっと。不思議な魔法の言葉のようです。いのちの喜びがあふれてくるような「いきいきした言葉たち」との出会いは、私たちの今日を豊かにしてくれます。今月も声に出して言ってみてくださいね!

 さぁ 今日は「にほんご」で遊んでみませんか?  くまだなみこ