2009年8月17日(月)エゼキエル28章 自分を一番と思うな


「人の子よ、ティルスの君主に向かって言いなさい。主なる神はこう言われる。お前の心は高慢になり、そして言った。『わたしは神だ。わたしは海の真ん中にある神々の住みかに住まう』と。しかし、お前は人であって神ではない。ただ、自分の心が神の心のようだ、と思い込んでいるだけだ。」(エゼキエル28:2)

 ティルスの滅びを語る最後の段落で、終わりに短くシドンの裁きが述べられています。シドンもエルサレムを排除する罪に加担していました。

 古今東西を問わず、驕り高ぶった人間は、自分を神だと主張するものですが、ティルスの発言はすさまじいものです。「わたしは神だ」の神は、神々とも訳し得る「エロヒーム」ではなく、単数形の「エル」が使われています。「至高の神」「唯一神」という意味です。

 この28章のなかで、次の御言葉が心に突き刺さりました。「お前は取り引きに知恵を大いに働かせて富を増し加え、お前の心は富のゆえに高慢になった」(5節)。「お前の心は美しさのゆえに高慢になり、栄華のゆえに知恵を堕落させた」(17節)。知恵は、利潤追求のためにのみ用いられると、腐ります。

 富・美しさ・栄華は、人の知恵を麻痺させ、それらのもつ欺瞞性を見抜けなくさせます。人はそれを身にまとうと、直ぐに自分を神以上の存在とみなし始めます。エデンの園での失敗以来、人はずっとこの罪を犯しています。主よ、憐れみ給え。