2010年3月16日(火)ダニエル8章 神の真理は、終わりの時に輝く


彼がわたしの立っている所に近づいて来たので、わたしは恐れてひれ伏した。彼はわたしに言った。「人の子よ、この幻は終わりの時に関するものだということを悟りなさい。」(ダニエル8:17)

 ここでの幻は、7章に続いて、バビロン以後の近東の覇権を巡るものです。雄羊はメディアとペルシアの王を、雄山羊はギリシアの王を表し(20、21節)、後者の勝利が預言されています。

 ところが、雄山羊の角は折れ、その代わりに四つの角が生え、天の万軍(星)に勢力を及ぼすまでに成長します。この中で、最後の角は、「罪悪の極みとして高慢で狡猾な一人の王」(23節)とあるほど、強烈です。ここで大切なことは、最後の極悪な角の支配にも、終わりがあるという点です(14、25節)。

 この角の意味は、雄羊や雄山羊と違って、ダニエルにも秘密のままで残ります(27節)。しかし、ギリシアの後、時代が進むにつれて、この角が、ユダヤ人信仰者を迫害しエルサレム神殿を汚すシリア王朝のアンティオコス四世のことを表していたことが明らかになります。

 そのとき、ユダヤ人は、極悪な迫害にも終わりがあることを信じることができました。私たちも、御言葉がすぐには分からなくとも、心に留め置きましょう。神の真理は、とき至って、終わりの時に光を放ちます。