2010年3月30日(火)ルカ23章 キリストの愛の豊かさ


イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」(ルカ23:34)

 無罪でありながら、刑が与えられると、ふつうの人間だと合点がいかず、不正に対する怒りと恨みで心が乱れます。しかし、主イエスにはそれがありません。主イエスを傷つける人びとの悪意がどんなにひどいものであっても、主イエスの愛の豊かさを乱すことはできませんでした。罪人に対する主イエスの愛と憐れみは、それほど豊かであったのです。

 十字架の上に釘付けにされるという恐ろしい苦痛に耐えながら、主イエスは叫び声一つあげられません。それどころか、ご自分に苦しみを与える者のために、「父よ、彼らを赦してください」と祈っておられます。不正と暴力が極みに達し、襲ってきても、主イエスの愛と憐れみは押し潰されません。悪が深まれば深まるほど、主イエスの愛が浮かび上がってきます。

 人間の醜さがあらわになればなるほど、主イエスの愛が際立ってきます。神であるにもかかわらず、神であることに固執しようとはしないで、僕の姿をとられた主イエスの心を動かしていたものは、私たち罪人への豊かな愛だったのです。