2010年7月25日(日)詩編62編 魂の静けさ


わたしの魂は沈黙して、ただ神に向かう。
神にわたしの救いはある。
神こそ、わたしの岩、わたしの救い、砦の塔。
わたしは決して動揺しない。(詩編62:2-3)

 この世にあっては、暴力がはびこり、富の力は栄えています。しかし、それらが人間の生を揺るぎないものとするのではありません。また、それらは、人の目にどのように映ろうとも、神の目には、かげろうのように「空しいもの」で、偽りに満ち、取るに足りない、「息よりも軽いもの」です(10節)。

 本詩の中心は、そのなかでも与えられる魂の静謐です。詩人は、ただまっすぐ神へと向かうことで、深い平安を得ています(2、3節、6、7節)。それは、ただ黙って神の働きを待つというだけでなく、すべての恐れ、心配、不安を神に委ね切ってしまっている人の、魂の静けさです。

 私たちも今、この世にあって、「人知を超える神の平和」(フィリ4章7節)のなかで安らう魂を、切望しています。わたしの命の源、土台、また未来となりうるのは、ただ神のみです。本詩では、神への信頼が、「岩」「救い」「砦の塔」「避けどころ」という伝統的なモチーフによって、表明されています。「わたしの救いと栄えは神にかかっている」(8節)。この信頼に私たちは招かれています。