2010年8月26日(木)ルカ4章 空腹


さて、イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川からお帰りになった。そして、荒れ野の中を“霊”によって引き回され、四十日間、悪魔から誘惑を受けられた。その間、何も食べず、その期間が終わると空腹を覚えられた。(ルカ4:1-2)

 空腹は、人間の苦しみの中でも、最も耐えがたい苦しみであると言った人がいます。キリストは四十日の絶食の後、限界に近い空腹状態で、砂や石ばかりの砂漠で、悪魔から誘惑を受けられました。その誘惑とは、一言でいえば、「自分」を救えという唆しです。「神の子」なら、神の子らしく力を用いて、空腹の苦しみから軽々と逃れることができよう。「自分」を救うために力を用いよ、と。耐えがたい苦しみの中で誘惑を受けたら、私たち人間はまず、自分を救おうとするでしょう。

 キリストのことを「第二のアダム」と言うことがあります。アダムが罪を犯したのは、すべてが神の温かい愛を表わしている楽園でした。アダムは最も恵まれた環境の中で、守るのはやさしいと思われるような言いつけを破りました。これに対して、キリストは耐えがたい苦しみの中で、厳しい誘惑に勝利されました。

 この主が、私たちの教会の頭です。パンを得る厳しさのなかにあっても、世のさまざまな誘惑のなかにあっても、この主に従い、この世での歩みを戦い抜き、勝利を得たいと願います。