2010年8月28日(土)ルカ6章 勝利者キリストに続こう


あなたの頬を打つ者には、もう一方の頬をも向けなさい。上着を奪い取る者には、下着をも拒んではならない。(ルカ6:29)

 弱虫だったわたしは、「叩かれたら、叩き返してやれ」と、よく親から言われました。これが世の常識でしょう。けれども、高校一年生でこの聖書の言葉に初めて出会ったわたしは、聖書の方が正しいと思いました。月に一度は別れ話が出るような家庭で育ったわたしは、言い返したり、叩き返したりすると、次にどうなるのか、いやというほど分かっていたからです。叩かれたら叩き返すとは、相手と対等の強さや自立を証明することでしょうか。むしろ、いつも相手の行動に支配される、従属的な生き方ではないでしょうか。

 たしかに旧約の律法では「目には目を、歯には歯を」と命じています。それは、拡大するばかりの報復の連鎖を食い止めるための神の配慮でした。しかし旧約の時代、神はそれでよしとしておられましたが、キリストは私たちにもっと遠くへ行くことを求めておられます。無限に拡がる復讐の輪を断ち切り、復讐ではなく愛によって周りを動かす、勝利者の生き方です。主ご自身、まず敵を愛する道を踏みしめ、後に続くようにと、私たちを招いておられます。