2010年9月7日(火)サムエル下3章 人の思惑を超えて


サウル王家とダビデ王家との戦いは長引いたが、ダビデはますます勢力を増し、サウルの家は次第に衰えていった。(サムエル下3:1)

 前章からの続きで、血なまぐさい出来事が続きます。北の王国の将軍アブネルは、主人との不和から彼を捨て、ダビデの側につきます。しかし、ダビデの将軍ヨアブは、これを策略と見てアブネルを暗殺し、同時に弟アサエルの仇を取ります。

 ダビデは、ヨアブの行為を喜ばず、むしろアブネルのために哀悼の歌を詠みます。かつてサウルとヨナタンのためにも哀歌を詠みました。その場合と同様に、自分の利害得失から事を見ていたのではありません。神の御心の成り行きのなかで果たした役割の観点から評価していたのです。

 人間の忠実さと打算が交錯するなか、主が、「僕ダビデの手によって、わたしの民イスラエルを…敵の手から救う」(18節)とダビデに仰せになったことが、実現していきます。神の御心が実現する「摂理」の御業が、鮮やかに進んでいきます。人の思惑が、事を決することはありません。それがあったとしても、しかし、それを超えて、神のご計画が成ります。