2010年9月12日(日)詩編69編 十字架を負う貧しい人の歌


貧しい人よ、これを見て喜び祝え。
神を求める人々には
健やかな命が与えられますように。
主は乏しい人々に耳を傾けてくださいます。
主の民の捕われ人らを
決しておろそかにはされないでしょう。(詩編69:33-34)

 本詩は、悩める僕の叫びであり、救いを求める祈りです。詩人は神を思う「熱情」(10節)ゆえに苦しみ、迫害され、嘲りを受け、家族や同胞からも疎外され、死の戸口に近づいています。その姿は、涙の預言者エレミヤやイザヤ書53章の「苦難の僕」に重なり、十字架の主を指し示しています。

 また、本詩は、「貧しい人よ、これを見て喜び祝え」と賛美を促します。私たちは、主イエスこそ、ここで言われている「貧しく、乏しい」罪人たちに望みを与えてくださるお方であることを知っています。また、神は、主イエスを復活させ、栄光の座へと「高く上げ」(30節)、私たちが心から賛美できるようにしてくださいました。

 そして今や私たちは、その受難の主に従う弟子として、この詩をわが祈りとしながら、自分の十字架を負って歩みます。信仰の生涯には多くの苦難がありますが、恐れることはありません。主だけを頼りとする「貧しく、乏しい」人たちを、神は決しておろそかにされることはありません。