2012年4月28日(土)ヘブライ5章 キリストの祈り


キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました。(ヘブライ5:7)

 旧約の大祭司は、罪ある人間の中から選ばれ、神によって任命されました。主イエスは、罪のない神の子ですが、同時に人であり、私たちと同じ肉をもち喜怒哀楽をもって歩まれました。

 7節は、主が十字架におかかりになる直前にゲツセマネの園でなされた祈りのありさまです。眠っている弟子たちの傍らで、命がけの祈りを捧げておられました。「この杯をわたしから取りのけてください」(ルカ22章42節)。神に裁かれるという、人としての死の苦しみを、主は味わっておられたのです。「激しい叫び声をあげ、涙を流し」という描写は、罪と神の裁きに鈍感な私たちでは想像できない程の苦しみを表しています。

 主は、その苦しみのなかで、「御自分を死から救う力のある方に」祈っておられました。そして、最後にすべてを父に委ねられました。「あなたの御心のままに」と。私たちの救いは、主の苦しみを通して、もたらされました。感謝あるのみです。