2012年6月3日(日)詩編129編 わたしが若いときから


「わたしが若いときから
彼らはわたしを苦しめ続けたが
彼らはわたしを圧倒できなかった。…」
主は正しい。
主に逆らう者の束縛を断ち切ってくださる。(詩編129:2-4)

 「都に上る歌」は、晴れやかな歌ばかりではありません。いつも喜んで礼拝に出られればよいのですが、教会の上の青空が高く澄んでいても、心はどんよりとしているときがあります。

 苦しみのときには、苦しみの歌を歌えばよい、とこの詩編は教えてくれます。神の民イスラエルは「若いときから」苦しんできました。自らの罪で苦しむことが多くありましたが、主に逆らう者によって苦しむこともありました。

 詩人の体験を「私」に重ねて読めば、「わたしが若いときから」と言うイスラエルは、今の「私」でもあります。「彼ら」とはエジプトであったりバビロンであったりしますが、案外「傍らを通る者」(8節)が、苦しむべきときに祝福を語る偽預言者であったりします。

 しかし、「主は正しい。」「彼らはわたしを圧倒できなかった」から、今日も、都に上る歌を歌いながら礼拝に向かう私がいます。苦しみのなかにあっても祝福の場に向かうとき、雨や曇りでも、心は晴れやかになります。