2012年8月1日(水)エレミヤ48章 高ぶる者を見逃さない主


主に向かって高ぶったモアブを、酔いしれたままにしておけ。モアブはへどの中に倒れて、笑いものになる。(エレミヤ48:26)

 48章はモアブへの託宣集です。モアブ民族はルツの出身民族で、起源はロトにまでさかのぼります(創19章37節)。モアブとイスラエルは、地理的にも血縁的にも近く、近親憎悪の関係にありました。モアブは、ダビデ王の時代にはイスラエルに隷属していましたが、いつでもイスラエルに反旗を掲げる機会を狙っていました。

 紀元前九世紀、モアブの王メシャはイスラエルへの独立戦争を行い、そのときの勝利を記念して碑文を残しました。それは現在ルーブル美術館にあり、「メシャ碑文」として知られています。

 モアブは、エルサレムが滅びるときバビロンの手先になり(王下24章2節)、火事場泥棒まがいの仕方で、都を略奪してしまいました。

 主はすべてを見ておられます。主は外国軍を用いて、偶像礼拝に陥ったイスラエルとユダも罰せられますが、神の鞭に過ぎない諸外国が高ぶるとき、これを決して見逃すことなく罰せられます。「わたし自身、モアブの横柄を知っていると主は言われる」(30節)。