2012年9月25日(火)雅歌1章 主を喜び、慕う


わたしたちもあなたと共に喜び祝います。
ぶどう酒にもまさるあなたの愛をたたえます。
人は皆、ひたすらあなたをお慕いします。(雅歌1:4)

 雅歌は、「歌の中の歌」と言われ、最も優れた歌との意味が込められています。しかし、神の名が用いられていません。むしろ、人間の男女の愛の賛歌で全編が彩られています。ユダヤ人は、これをまさに恋愛詩と受けとめ、正典に加え、男女の愛を尊びました。

 さて、古代教会のオリゲネスは、雅歌に神と人の交わりを見て、
 「聖地に入る者は祝福されている。しかし、それよりもさらに祝福されているのは、至聖所に入る者である。…同様に、聖なる歌を知り、うたう者は祝福されている。…しかし、それよりもさらに祝福されているのは雅歌をうたう者である」
と、神を愛する尊さを語りました。今回は、オリゲネスの解釈に寄り添い、雅歌を読んでいきます。

 雅歌は、神への賛歌について、人間の精神と肉体の総体を通して賛美されることを教えています。神の民たちの神との信仰にある愛の交わりは、男女の愛の交わりに勝るとも劣らぬ喜びと感謝を私たちにもたらします。