2013年6月25日(火)コヘレト10章 賢い者には益がある


なまった斧を研いでおけば力が要らない。
知恵を備えておけば利益がある。(コヘレト10:10)

 賢者が述べる知恵はこの世で災いを避け、良いものを受け取るための賢さです。全能なる神の御前に自分は行く先も分からない有限な人間であることを謙虚に認め、勤勉で落ち着いた生活を通して神に忠実に仕えることです。

 知恵を侮り愚かになって不幸を招かないようにとコヘレトは警告しています。「愚者は口数が多い」(14節)。神を畏れず御旨を悟らずして語る言葉は空しく、かえって要らぬことを口にして自分にも隣人にも災難を招きます。それに比べて賢い人の口には慎みがあり、語る言葉は「好ましさ」(12節「恵み」)にあふれて世の中に良いものを生みだします。

 賢い者が貶められ、愚かな者が高められるような現実の社会に、コヘレトの言葉はそのまま通じます。それぞれの職に就く者が誠実に分を果たす賢さを保てば、皆で分かち合う利益も増進します。神の国を映し出す教会も同じです。主イエスから「怠け者の悪い僕だ」(マタ25章26節)と言われないよう、賜物の賢い管理者でありたいものです。