2014年8月5日(火) エレミヤ20章 エレミヤの最後の訴え


万軍の主よ
正義をもって人のはらわたと心を究め
見抜かれる方よ。
わたしに見させてください
あなたが彼らに復讐されるのを。
わたしの訴えをあなたに打ち明け
お任せします。(エレミヤ20:12)

 エレミヤ書には、度々、エレミヤが語る神への訴え(告白)が記されています。「エレミヤの告白」という表題がある7節以後は、彼の告白の最後のものです。

 彼は「恐怖が四方から迫る」と語り、民の指導者たちには「不法だ、暴力だ」と叫びました。その預言がなかなか実現しないなかで、彼は、災いを語るだけの預言者として嘲笑され、命まで狙われました。そのなかで、エレミヤは、わたしはあなたに誘惑され、あなたに惑わされました、と主に訴えています。しかし、この訴えの後には、「主は…わたしと共にいます」(11節)と、主への信頼を表明し、迫害する者たちへの復讐を主に委ねました。

 ルターも卓上語録で自分の伝道の苦しみを語って、「始めから私が今知っていることを知っていたとしたら、私をこの仕事に引っ張ってくるのには十頭の馬でも足りなかったであろう。おなじようにモーセもエレミヤも、自分たちは(神に)だまされたのだ、と訴えている」とこのエレミヤを引用しています。

 私たちも、伝道の苦しみのなかで、主に訴え、人間的な思いに囚われることなく、その任に堪えます。