2014年10月6日(月) エステル1章 事件は酒宴の席で


ぶどう酒で上機嫌になったクセルクセス王は、そば近く仕える宦官…に命じて、冠を着けた王妃ワシュティを召し出そうとした。その美しさを高官および列席する民に見せようというのである。王妃は美しい人であった。ところが、王妃ワシュティは宦官の伝えた王の命令を拒み、来ようとしなかった。(エステル1:10-12)

 かつてイスラエルの国を滅ぼした新バビロニアも新たな世界帝国ペルシアに、覇権を奪われることになりました。

 物語は、ペルシア王クセルクセスが、国の繁栄を人びとに知らしめるために催した酒宴の席から始まります。王宮を彩る大理石の柱、紫の幔幕、金や銀の長いす、いずれもがペルシアの栄華を誇示していました。その中で、繰り広げられる大宴会。事件はその席で起こります。

 その日、ほろ酔い気分の王は、王妃ワシュティを男たちの席に呼びつけます。それは王宮を彩る装飾品のように、王妃の美しさを男たちに見せつけるためでした。しかし、その下心に嫌気がさしたのか、王妃は召しを拒みます。これでは、王の面目は丸つぶれ。派手な宴会を催す力はあっても、妻に拒まれる哀れな男。その姿を暴露された王は、激怒し、王妃を退位に追い込みます。

 物語は動き始めました。この事件がどのような未来をもたらすのか、誰も予想していません。すべては後から気付かされることです。さて、きょうという一日は、後から振り返った時に、どのような姿を見せるでしょうか。