2014年10月26日(日) 詩編75編 神への感謝に生きる


神よ、あなたに感謝をささげます。
御名はわたしたちの近くにいまし
人々は驚くべき御業を物語ります。
「わたしは逆らう者の角をことごとく折り
従う者の角を高く上げる。」(詩編75:2,11)

 さまざまな世の苦難の中で感謝のうちに生きるということは、口で言うほどたやすくありません。特に、その苦難が私たちに向けられた悪意に基づくものであった時に、なお感謝と信仰のうちに生きることは、ほんとうに難しいものです。なぜ難しいのでしょうか。それは私たちの内に神が働いていてくださるのだろうか、なぜ神は悪を放置しておられるのだろうかという疑いが起こってくるからです。

 しかし詩人は、神の御名は私たちの近くにある、と語っています。現実になお神に逆らう者が存在し、ゆえに信仰者に苦難があったとしても、詩人は、感謝を手放しません。神が必ず時を定めて裁きを行い、驕る者を打ち砕き、従う者を高く上げると詩人は信じたからです。

 ところで、考えてみると、世に神に従う者と逆らう者という明確な区別があるのでしょうか。私たちもまた、しばしば主に従い得ない罪人です。けれども神の御子キリストは私たちに近づいてくださり、十字架にかかり、贖いとなって私たちを高く上げてくださいました。そこから苦難の中にも感謝が生まれます。