2014年10月29日(水) ダニエル3章 王にも見えた四人目の者


王は言った。
「だが、わたしには四人の者が火の中を自由に歩いているのが見える。そして何の害も受けていない。それに四人目の者は神の子のような姿をしている。」(ダニエル3:25)

 2章の時から相当な年数が経っていたのでしょう、ネブカドネツァル王は巨大な像の夢のことをすっかり忘れ、権力と栄華に酔いしれて、「一つの金の像」を造らせます。バビロンの神の像であったか、ネブカドネツァル王自身の像であったかは定かではありませんが、思い上がった権力者がしばしば行う行為です。

 金の像を拝め、「ひれ伏して拝まない者は、直ちに燃え盛る炉に投げ込まれる」との命令に、「諸国、諸族、諸言語の人々は皆ひれ伏し」ましたが(6、7節)、三人の少年たちはこれを拒みました。そのことを密告したのは、ユダヤ人をよく思わないカルデア人たちです。ダニエルは全州を治める高い地位にありましたので、訴えられませんでした。

 怒りに燃える王によって、三人の少年たちは燃え盛る炉に投げ込まれましたが、そこで王が見たものは、少年たちが何の害も受けていないことだけでなく、四人目の者がいて、神の子のような姿をしていた、ということです。

 伝統的な解釈によれば、この四人目の人こそ、私たち信仰者と苦難の中で共にいます主イエス・キリストです。