2014年11月10日(月) ダニエル7章 一時の敗北の後の勝利


見ていると、この角は聖者らと闘って勝ったが、やがて、「日の老いたる者」が進み出て裁きを行い、いと高き者の聖者らが勝ち、時が来て王権を受けたのである。(ダニエル7:21-22)

 ダニエル書は、第一部「ダニエルに関する歴史的部分」(1〜6章)と第二部「ダニエルの幻」(7〜12章)に大きく分けることができますが、第二部の初め第7章では、「四頭の獣の幻」が記されています。

 「バビロンの王ベルシャツァルの治世元年」とあるとおり、歴史としてはだいぶ遡って、約60年前に見た幻が語られており、ちょうど2章で語られていた「巨大な像の夢」に続くものとなっています。2章の時と同じく、獅子はバビロニア帝国を、熊はペルシア帝国を、豹はギリシア王国を、そしてどの獣にも形容できない恐ろしい獣はローマ帝国を意味しています。

 ダニエルにとってはあまりにも遠い未来の話であり、理解し難く、「大層恐れ悩み、顔色も変わるほどで」した(28節)。しかし、大切なことは、未来の予言ではありません。敗北に見える目前の行き詰まり、停滞などは、神の御計画の一部であり、一時のことであって、その後には必ず勝利が与えられる、ということなのです。「人の子」による勝利を信じて歩みましょう。