2014年11月23日(日) 詩編79編 御名のための救い


わたしたちの救いの神よ、わたしたちを助けて
あなたの御名の栄光を輝かせてください。
御名のために、わたしたちを救い出し
わたしたちの罪をお赦しください。(詩編79:9)

 苦難や災いが私たちに臨むとき、どうしてこのようなことがわたしに起こるのかと苛立ち、神や隣人に不満をぶつけることがないでしょうか。そして何とかこの災いから逃れたいと、そのことだけに思いが向かうのです。

 ところが、災いと苦難の根源に神の御怒りがあると詩人は告白しています。「主よ、いつまで続くのでしょう。あなたは永久に憤っておられるのでしょうか」と(5節)。つまり、詩人は苦難の根源に自らの神への罪を見出しているのです。

 そうであればこそ、神の憐れみが先立ち、その憐れみをわたしに差し向けてくださいと祈るのです。罪が赦されるのは、人の側に赦される理由があるからではありません。神が憐れみをもって罪を赦してくださるからです。

 こうして神が救いの神となってくださるのは、神の栄誉のため、神の御名の栄光があらわされるためなのです。そうであればこそ、詩人は最後にこう謳うのです。「わたしたちはあなたの民、あなたに養われる羊の群れ。とこしえに、あなたに感謝をささげ、代々に、あなたの栄誉を語り伝えます」(13節)。