2015年6月3日(水) 申命記6章 主を愛しなさい


聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。(申命記6:4-6)

 教会に来られて間もないご婦人と一緒に聖書を読んでいたときのことです。「神を愛する」という言葉をわたしが何気なく語ったときに、その方が言われました。「神を愛するって…。そんなことがあるのですか」。意識せず語ったことがこの人に驚きを与えました。そのとき、わたし自身も改めて気づかされました。確かに私たちが神を愛するということは、驚くべきことだということを。

 イスラエルの民が主を愛することも、当時の周囲の国の人びとには驚くべきことでした。それだけではありません。イスラエルの民のここまでの歩みは、まことに罪に満ちたものでした。エジプトから神に救い出されたにもかかわらず、神に背を向けて歩みました。そのような民でありながら、主なる神は愛することをお命じになるのです。

 私たちが神を愛することを求められるということは、当然のことではありません。神を愛することを神が求められるのは、それに先立つ驚くばかりの神の愛があるからです。「わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して」くださったからです(1ヨハ4章10節)。