2015年6月28日(日) 詩編106編 主の怒りをなだめる人


主は彼らを滅ぼすと言われたが
主に選ばれた人モーセは
破れを担って御前に立ち
彼らを滅ぼそうとする主の怒りをなだめた。(詩編106:23)

 かつて荒れ野を長年にわたって旅したイスラエルの民は、繰り返し水と食料の不足に苦しみ、その度に不満をモーセにぶつけました。それは、彼を指導者としてお立てになった主なる神に対する不平であり、主に対する不信仰から出ています。

 モーセは民から非難されても黙して、正しくお裁きになられる神にすべてを委ね、ひたすらとりなしの祈りをささげました。神は、その祈りを聞き上げてくださり、民たちが飢え渇くことがないようにしてくださいました。「モーセという人はこの地上のだれにもまさって謙遜であった」とあります(民12章3節)。

 しかし彼も一度だけ過ちを犯しました。メリバの水のほとりで不従順な民に自分を抑えられなくなり、民の前で主の聖なることを示さなかったのです。このためモーセは、約束の土地に入ることは許されませんでした。

 私たちには、今やモーセではなく、神の右の座にあってとりなしの祈りをささげてくださる永遠の大祭司イエス・キリストがおられます。