2016年1月13日(水) 申命記7章 祝福と呪いの間で


あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。あなたの神、主は地の面にいるすべての民の中からあなたを選び、御自分の宝の民とされた。(申命記7:6)

 主なる神がイスラエルをお選びになったのは「主の愛のゆえ」です(8節)。神はこの世の小さな者に目を留め、これを尊んで慈しみを注いで「御自分の宝の民」とされました。モーセが繰り返し「契約を守れ」と呼びかけるのも、その情熱的な主の愛に応えるためです。

 その応答の仕方が「七つの民を滅ぼす」ことになるのはキリスト教の博愛主義には合わないようにも思えます。ここには主の愛の熱情的な側面が、祝福と呪いという非常に明暗のはっきりした区別で語られています。主を愛して契約の中に留まる者は宝物のように大切にされます。反対に、偶像を拝んで主に敵対する者はことごとく滅ぼされます。律法に示される神との関係はこのように白か黒かです。

 神の民はこの間を揺れ動きながら歴史の中を歩みます。そこで経験したことの多くは呪いの方が現実的でした。その度に神の言葉が思い起こされて、その真実が重みを増したことでしょう。しかし、その呪いを我が身に担われた主にのみ信頼し、神の愛に立ち帰れば、祝福こそが私たちに確かなものとなるのです。