2016年2月17日(水) 申命記24章 神の救いを想起して


寄留者や孤児の権利をゆがめてはならない。寡婦の着物を質に取ってはならない。あなたはエジプトで奴隷であったが、あなたの神、主が救い出してくださったことを思い起こしなさい。わたしはそれゆえ、あなたにこのことを行うように命じるのである。(申命記24:17-18)

 約束の土地で新しい営みを始める神の民に対して、神は、繰り返し、「寄留者、孤児、寡婦」に配慮を向けることを命じられました。

 神はその配慮をただ人道主義的な視点からではなく、エジプトからの解放に基礎付けられます。エジプトで奴隷であったイスラエルの民は、エジプト人の農場で働かされ、土木工事等に使役されていたでしょう。そのような困難な奴隷状態から、神は一方的な憐れみと愛によって彼らを助け出されました。

 困窮はかつての自分たちの姿です。寄留者は、難民のような方たちかも知れません。孤児にもシングル家庭にも貧困が迫っています。ですから、神は畑のぶどうの実を取りつくさないで彼らのために残すことを命じられました。それは彼らが神の救いの恵みを味わうためです。その味わいによって、共同体全体が喜びに満たされるためです。

 神は罪の奴隷から私たちを救い、私たちに貪欲と貧困に立ち向かう力を与えてくださいます。神はそのようにして、貧しい者たちに、また私たちにも寄り添ってくださるお方です。