2017年2月12日(日) 1ペトロ2章 神を畏れる


すべての人を敬い、兄弟を愛し、神を畏れ、皇帝を敬いなさい。(1ペトロ2:17)

 ペトロは手紙の中で、神の僕として生きるように勧めています。信仰者は天の国を目指す旅人です。ですから、天を目指すものとしてふさわしい歩みが求められています。

 この地上を歩む上で、教会と国家の問題を避けて通ることができません。ペトロが生きていた時代は、皇帝に代表される権力とどのように対峙するのかが問題でした。ペトロは、「すべて人間の立てた制度に従いなさい」(1ペト2章13節)と語り、国家の持つ政治権力を重んじています。しかし、それは主なる神という絶対的な存在の前では相対的なものです。国家を初め、諸々の権威は敬うものですが、私たち信仰者はなによりも神への畏れが先立つのです。私たちが地上の権威に従うのであれば、それは「主のために」(同2章13節)です。

 地上の国は、神の国に比べれば過ぎゆくもの、暫定的なものです。それは旅人にとっては仮住まいであり、一時的なものです。地上の国家がどれほどの力を持ったとしても、それはまもなく過ぎ去ります。そのような視点にたちつつ、旅人としてやがてくる神の「訪れの日」(同2章12節)を目指して教会は歩みます。