2017年5月14日(日) マタイ2章 契約の子の救い


こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。
「ラマで声が聞こえた。
激しく嘆き悲しむ声だ。
ラケルは子供たちのことで泣き、
慰めてもらおうともしない、
子供たちがもういないから。」(マタイ2:17-18)

 自分とは別の「ユダヤ人の王」が生まれたと聞いたヘロデ王は、将来、自分の王座が奪われる不安と恐れに駆られて、生まれたばかりの主イエスを殺そうとします。そのためにヘロデ王は、「ベツレヘムとその周辺一帯にいた2歳以下の男の子を、一人残らず殺させた」のでした。

 主イエスの殺害は失敗に終わりましたが、この事件の巻き添えで殺された多くの幼子の母親たちは、悲嘆の中に突き落とされました。18節のエレミヤの預言には「希望」の言葉が続けられていたのですが、この母親たちの希望とは何でしょうか。それは主イエスを救い主と信じる自分の信仰です。

 「こんな目に遭ったら、そんなこと、信じられるわけがない」と思われるかもしれません。しかし、それだからこそ、信じることができた時には、「この信仰は、わたしを救いに選んでくださった神からの賜物だ」と悟ることができるのでしょう。そして、母親を救いに選んでくださった神が、その子をも契約に入れていてくださったという事実が、その時に明らかとなり、こうして母親は慰めを受けることになるでしょう。