2018年9月14日(金) レビ25章 全住民の解放


あなたたちは国中に角笛を吹き鳴らして、この50年目の年を聖別し、全住民に解放の宣言をする。それが、ヨベルの年である。あなたたちはおのおのその先祖伝来の所有地に帰り、家族のもとに帰る。50年目はあなたたちのヨベルの年である。(レビ25:9-11)

 全住民に解放が宣言される50年目のヨベルの年は、一生に一度巡ってくるもの、という感覚だったでしょう。この年には、全き安息を土地に与え、種もまかず、収穫もしないことになっていました。そうだとすれば、「どうして食べていけるだろうか」と思うのは当然です。しかし主は、掟を忠実に守るならば、「あなたたちは十分に食べ、平穏に暮らすことができる」と約束されました(19節)。

 また、土地や人を、貧しさゆえにやむを得ず売買しなければならなくなったときには、買う側・貸す側には「神を畏れ、同胞があなたと共に生きられるように」するために、無利息で貸し、身売りされても奴隷として扱わないように命じられていました。そしてヨベルの年には買い戻す権利が認められていました。

 イザヤ書61章はこのヨベルの年を念頭に置いた預言です。「捕らわれ人には自由を、つながれている人には解放を告知させるために」(1節)。主イエスはこの個所を朗読し、「この聖書の言葉は、今日、…実現した」と語り始められたのでした(ルカ4章)。すべての民の全き解放、全き安息が到来したからです。