2023年11月11日(土) 詩編31編 自らを神にゆだねる安心


まことの神、主よ、御手にわたしの霊をゆだねます。
わたしを贖ってください。(詩編31:6)

 詩人は大変な苦しみを受けています。敵だけでなく、隣人からも嘲られています。親しい人びとから恐れられ、避けられています。周囲の人びとからは死者のようにみなされています。

 現代社会を生きる私たちもまた、何かを間違えればたちまち炎上してしまいます。そして、周囲の人びとから排斥されてしまいます。詩人の悲惨は、まさに今を生きる私たちの悲惨でもあります。

 この悲惨のなかで、彼は語ります。「まことの神、主よ、御手にわたしの霊をゆだねます」(6節)。彼が自らの霊を神にゆだねた理由。それは自分の命が神のものだからです。神こそが、命の価値の源なのです。

 6節の詩人の言葉は、十字架の死を前にして、主イエスが語られた言葉でもあります(ルカ23章46節)。詩人の苦しみは、主イエスの十字架の苦しみと重なります。詩人自身の苦しみと、それをもたらした周囲の人びとの罪。これらに打ち勝って、神はキリストを復活させられました。それゆえ、私たちは、たとえ周囲の人びとから見放されようとも、キリストを死から復活させられた神に信頼して、自らをゆだねることができるのです。

 【祈り】 父なる神よ、死を超えてキリストを復活させてくださったあなたの御手に、わたしの霊をゆだねます。