キリストへの時間 2004年5月30日放送    キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

山下 正雄(ラジオ牧師)

山下 正雄(ラジオ牧師)

メッセージ: ペンテコステ

 おはようございます。山下正雄です。
 きょうはペンテコステの日です。といっても、キリスト教に馴染みのない方には一体何のことなのか、チンプンカンプンのことでしょう。キリスト教会にとって大切な記念日と言えば、誰もが思い浮かべるのはクリスマスです。イエス・キリストの誕生を祝う記念日ですね。イエス・キリストが復活されたイースターのことも、どこかで耳にしたことはあるかもしれません。今年は既に4月11日にイースターの日が祝われました。

 では、3番目の記念日、ペンテコステとは何なのでしょうか。ペンテコステという言葉のもともとの意味は50番目の日を表しています。どこから数えて50番目の日なのかというと、キリストの復活の日から数えて50日目がペンテコステの日です。
 それでは、このキリストの復活から50日目はどんな記念日なのでしょうか。

 聖書によれば、復活されたキリストは40日間にわたって弟子たちに姿をあらわされました。そのとき、キリストは弟子たちに命じられました。
 「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい」
 この約束されたものとは、聖霊の注ぎにほかなりません。この聖霊についてキリストはこうもおっしゃっています。
 「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」
 この約束の通り、キリストを信じる者たちの上に聖霊が注がれ、その日から弟子たちは力強くキリストの福音を恐れることなく語り始めました。この出来事を記念する日、それがペンテコステの日なのです。しばしばそれはキリスト教会の誕生日にも例えられています。

 聖霊は教会に息吹を与え、教会を力強く生かしていきます。教会を動かし、復活のキリストの証人として信仰者をこの世に送りだします。キリストの言葉の通り、エルサレムから始まったキリスト教会は、ユダヤ、サマリア、そして地の果てにまでも力を及ぼすようになりました。
 あの最初のペンテコステの日から、二千年近くが経ちますが、今もなおクリスチャン一人一人を動かし、教会を導いているのはこの聖霊の力に他なりません。

 ところで、この聖霊について、聖書はこんなことを書いています。
 「あなたがたは、人を奴隷として再び恐れに陥れる霊ではなく、神の子とする霊を受けたのです。この霊によってわたしたちは、「アッバ、父よ」と呼ぶのです。」
 聖霊の働くところに神を天の父として信頼する思いが生まれます。聖霊を受けた者にとって、神とわたしの関係は恐ろしい主人とおののく奴隷の関係ではなくなります。神の懐のなかで、まったく安心して過ごす恵みが与えられるのです。

 日本には「触らぬ神に祟りなし」という諺がありますが、神を祟る神として恐れおののく生き方は、何とむなしいことでしょうか。そこにはどんな人格的な交わりも、心と心が触れ合うような関係も成り立ちません。

 しかし、聖霊を通して真の神と出会うとき、神への心からの信頼が生まれ、すべてを委ねていく思いが与えられるのです。まことに天の父はわたしたちの必要をご存知であり、万事を益としてくださる方です。
 キリスト教会が二千年の歴史の中で迫害の中にあっても持ちこたえることが出来たのは、聖霊が一人一人のうちに父なる神への信頼を動かしがたいものとして下さったからです。神は今もなお信じる者にこの聖霊を与えようと願っていらっしゃいます。

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